知っておきたい「上皮内がん」の基礎知識|どこにできる?どんな特徴がある?
「上皮内癌」という言葉を聞いたことはありますか?
「がん」と聞くと、とても怖い病気のように感じてしまうかもしれません。しかし、「上皮内癌」は、他のがんとは少し違う特徴を持つ、特別な状態のがんです。
この記事では、「上皮内癌は癌ですか?」という疑問から、「上皮内癌 どこにできる?」という具体的な質問まで、分かりやすく解説します。
「上皮内癌」ってどんながん?
上皮内癌は、文字通り「上皮」という、体の表面や臓器の内側を覆う薄い膜の内部にだけ留まっているがん細胞のことを指します。
通常のがんは、この上皮の膜を破って、その下の組織にまで入り込んでいきます。しかし、上皮内癌は膜の中にだけ存在するため、他のがん細胞のように周りの組織に広がる「浸潤(しんじゅん)」や、リンパや血管に乗って別の場所に飛んでいく「転移」を起こすことがありません。
そのため、他のがんと比べて、早期に発見・治療することで、ほぼ完全に治すことができると考えられています。
上皮内癌はがん?
この質問には、YESでもありNOでもあります。
がん細胞であることに変わりはありませんが、転移や浸潤がないため、一般的な「がん」とは区別されます。保険の分類などでも、上皮内癌は「悪性新生物」ではなく「上皮内新生物」とされ、別扱いになることがあります。
上皮内癌 どこにできる?主な発生部位
上皮内癌は、体の様々な場所の「上皮」に発生する可能性があります。代表的な発生部位をいくつかご紹介します。
1. 子宮頸部
上皮内癌の発生部位として、最もよく知られているのが子宮頸部です。子宮頸がん検診で発見されることが多く、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が主な原因とされています。
2. 消化器系(食道、胃、大腸)
食道や胃、大腸の内側を覆う粘膜も上皮の一つです。内視鏡検査などで、早期の上皮内癌として発見されることがあります。定期的な健康診断や、気になる症状がある場合の検査が重要になります。
3. 乳腺
乳管の中にも上皮内癌が発生することがあります。この場合、「非浸潤性乳管がん」と呼ばれ、乳がんの非常に早期の状態とされています。しこりとして触れることは少なく、マンモグラフィなどの検査で発見されることが多いです。
4. 膀胱
膀胱の内側の粘膜にも、上皮内癌が発生することがあります。血尿などの症状で検査を受けた際に見つかるケースがあります。
5. 皮膚
皮膚の表面を構成する細胞にも、上皮内癌が発生します。「ボーエン病」や「日光角化症」と呼ばれる状態が、皮膚がんの上皮内癌にあたります。見た目では湿疹やシミのように見えることがあるため、自己判断せず、専門医に診てもらうことが大切です。
上皮内癌の治療と費用
上皮内癌は、がんが上皮内にとどまっているため、手術で病変部分を切除すれば、ほぼ完全に治癒が期待できます。
治療法
多くの場合、手術による切除が治療の中心となります。
子宮頸部:円錐切除術など
消化器系:内視鏡的切除術(ESD/EMR)など
乳腺:病変部分のみを切除する手術など
上皮内癌 費用
上皮内癌の治療費は、治療方法や入院期間によって異なりますが、手術や検査にかかる費用は、高額療養費制度の対象になります。また、民間の医療保険に加入している場合は、上皮内癌に対する給付金が出るかどうかも確認しておくと良いでしょう。
まとめ:早期発見が何よりも大切
上皮内癌は、がん細胞であるものの、転移や浸潤のリスクがないため、早期に発見して適切な治療を行えば、予後は非常に良いとされています。
「上皮内癌 どこにできる?」という疑問は、体の様々な場所に発生する可能性を示しています。だからこそ、定期的な健康診断や、少しでも気になる症状があれば、放置せずに医療機関を受診することが、何よりも大切です。