手足口病が悪化した場合の症状と対処法
手足口病は通常、軽度の症状で回復しますが、まれに症状が悪化することがあります。特に小さなお子さんや免疫力が低い場合、悪化すると様々な合併症を引き起こす可能性もあります。今回は、手足口病が悪化した場合の症状やその対処法について詳しく解説します。
手足口病が悪化する原因
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因で引き起こされます。通常は軽い症状で回復しますが、以下のような場合には病状が悪化することがあります。
1. 免疫力の低下
免疫力が低い場合(例: 生まれつき免疫不全のある子どもや、抗生物質の使用などで免疫力が落ちている場合)、ウイルスに対する抵抗力が弱く、症状が長引いたり重症化することがあります。
2. 二次感染
手足口病は、ウイルスが原因ですが、口の中や皮膚にできた水泡が細菌感染を引き起こすことがあります。二次感染が起こると、症状が悪化し、治療が長引くことがあります。
3. 高熱が続く場合
手足口病では、通常、発熱は軽度で、数日で治まります。しかし、熱が40度以上になる、または数日間続く場合、体がウイルスに十分に反応できていない可能性があり、悪化のサインです。
手足口病が悪化した場合の症状
手足口病が悪化した場合、通常の症状に加えて次のような症状が見られることがあります。
1. 激しい痛みや食事が取れない
口内の発疹が進行し、痛みが強くなると、飲み込みができなくなることがあります。これにより、食事ができず水分補給も困難になるため、脱水症状を引き起こす恐れがあります。
2. 皮膚や爪に異常
水泡が破れて潰瘍になり、皮膚がひどくただれたり、爪に障害を与えることがあります。これが進行すると、皮膚が感染し、膿を伴うこともあります。
3. 呼吸困難
非常にまれですが、手足口病が肺炎や心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。呼吸が速くなる、息切れをする、胸が痛むなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診することが必要です。
手足口病の悪化を防ぐための対処法
手足口病が悪化する前に、適切な対処を行うことで、症状の進行を防ぐことができます。以下の対処法を参考にしてください。
1. 水分補給をこまめに行う
手足口病によって喉の痛みや口内の発疹がひどくなると、水分摂取が難しくなりますが、脱水症状を防ぐためにはこまめに水分補給を行うことが大切です。もし飲み物が飲めない場合は、氷やアイスクリームで喉を冷やすのも効果的です。
2. 痛みを和らげる
口内の痛みがひどくなった場合、鎮痛剤や抗炎症薬を使用することができます。小児用の薬を使用する際は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
3. 十分な休息と安静
体力が消耗しやすいため、十分に休ませることが大切です。無理に活動をさせず、安静に過ごすことで体力を回復させ、免疫力を高めることができます。
4. 発疹のケア
手足口病の発疹が悪化して、皮膚がただれたり、感染が広がると、治療が難しくなります。発疹部分を清潔に保ち、抗菌軟膏を使用することで二次感染を防ぐことができます。
手足口病が悪化した場合の医療機関の受診タイミング
手足口病が悪化する前に、早めに医師の診断を受けることが重要です。特に以下の症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
1. 高熱が続く
高熱が3日以上続く場合や、体温が39度以上に達する場合は、他の合併症が疑われるため、医師に相談してください。
2. 激しい痛みや食事が取れない
口内の発疹や水泡が痛みを引き起こし、食事が取れない場合や水分摂取が困難な場合も、早期に医療機関を受診し、脱水症状を予防する必要があります。
3. 呼吸がしづらい、胸の痛み
息切れや胸の痛みがある場合は、手足口病による肺炎や心筋炎の可能性があります。早期の受診が求められます。
まとめ
手足口病は通常軽症で回復しますが、免疫力が低い場合や、二次感染を引き起こすと悪化することがあります。悪化した場合は、水分補給や痛みの管理、休養をしっかり行うことが重要です。また、異常が見られた場合は早期に医師に相談し、迅速な対応を取ることが大切です。症状が進行する前にしっかりと対策を取り、手足口病の治療をサポートしましょう。