土俵の屋根とは?特徴・役割・構造を解説!
相撲の土俵の上には、伝統的な**「土俵の屋根」**が設置されています。これは単なる装飾ではなく、相撲の歴史や神事としての意味を持つ重要な構造物です。
本記事では、土俵の屋根の役割・特徴・構造・歴史について詳しく解説します。
土俵の屋根とは?
土俵の屋根は、**相撲の本場所(国技館や地方巡業)で設置される「吊り屋根(つりやね)」**のことを指します。
現代の大相撲では、土俵の上に**神社の本殿を思わせる「四本柱のない屋根」**が吊るされています。
この屋根は、かつて神社の拝殿にある「社(やしろ)」の屋根を模したものであり、相撲が神事であることを象徴しています。
土俵の屋根の特徴と役割
土俵の屋根には、以下のような特徴と役割があります。
1. 神事としての象徴
相撲はもともと**神事(豊作祈願や厄払い)**として行われていたため、土俵の屋根も「神殿の屋根」を模しています。
神社の拝殿と同じように、屋根の四隅には房(ふさ)がつけられており、それぞれの色に意味があります。
✅ 東:青房(春・青春)
✅ 西:白房(秋・成熟)
✅ 南:赤房(夏・成長)
✅ 北:黒房(冬・完成)
これは四季や方角を表し、自然や神々への敬意を示すものとされています。
2. かつては「四本柱」があった
かつての土俵の屋根は、四隅を**「四本柱」で支えていました。しかし、観客の視界を妨げるため、現在では国技館の屋根は天井から吊るす「吊り屋根」**になっています。
四本柱があった時代の名残として、現在も「柱」という言葉が使われます。
例えば、行司が立つ場所は「東西の柱」と呼ばれることがあります。
3. 土俵の屋根の構造
現代の「吊り屋根」は、日本武道館や両国国技館などの天井からワイヤーで吊るされているのが特徴です。
✅ 屋根の形状:寄棟造(よせむねづくり)の伝統的な木造屋根
✅ 素材:檜(ひのき)などの高級木材を使用
✅ サイズ:縦横約6メートル、高さ5メートルほど
かつての「四本柱」の時代と比べると、視界が広がり観客が取り組みを見やすくなっています。
土俵の屋根の歴史
土俵の屋根の起源は、江戸時代の相撲興行にまで遡ります。
江戸時代
- 当時の相撲は神社の境内で行われていたため、自然と神社の拝殿のような屋根が設置された。
- この屋根は四本の柱で支えられており、「社殿」と同じ形状だった。
明治時代
- 相撲が国技として確立し、常設の屋内相撲場が作られるようになる。
- しかし、屋根の四本柱が観客の邪魔になるため、廃止の議論が始まる。
昭和時代
- 1952年、蔵前国技館の改築に伴い、「四本柱を廃止し、屋根を吊るす方式」に変更。
- これが現在の「吊り屋根」の始まり。
現代
- 吊り屋根は、両国国技館をはじめとする本場所会場に設置されている。
- 地方巡業では、簡易的な屋根が用いられることもある。
まとめ
✅ 土俵の屋根は、神社の本殿を模した「吊り屋根」
✅ かつては「四本柱」があったが、現在は吊るされる形式に変更
✅ 四隅にある房は、四季や方角を表している
✅ 屋根の存在は、相撲が神事であることを象徴している
土俵の屋根は、単なる装飾ではなく、相撲の伝統や神事としての意味を持つ重要な構造物です。
これから相撲観戦をする際には、土俵の屋根の意味にも注目してみると、より深く相撲を楽しめるでしょう!